よくある疑問に回答

妊娠のしやすさに、体重は
関係ありますか?

妊娠のしやすさに、体重は関係ありますか?

妊活中に適正な体重を守ることはとても大切なこと。太り過ぎもやせ過ぎも
妊娠しにくいことが知られています。

肥満の場合は、女性ホルモン・エストロゲンの過剰によってホルモンバランスが乱れ、排卵が起こりにくくなってしまいます。エストロゲンは、卵巣からだけでなく脂肪細胞からも分泌されるため、肥満になるとエストロゲンが過剰になってしまうのです。

一方、やせ過ぎの場合は、逆にエストロゲンが低下することで生理不順、無排卵になりやすくなります。肥満もやせ過ぎも、ホルモンバランスが崩れて排卵障害のリスクが高まるというわけですね。

適正体重は、「BMI(肥満度を表す体格指数)」から知ることができ、次の式で計算されます。
BMI=体重(㎏)÷身長(m)÷身長(m)

妊娠しやすいBMIは一般的に21~24くらいとされており、18.5未満のやせ過ぎや、25以上の肥満、特に30を超えた場合に妊娠率が下がるともいわれています。

アジア人女性を対象とした研究※では、BMIが18.5~22.9が最も妊娠しやすく、妊活を始めてから妊娠するまでの期間が短いということがわかりました。

また、妊娠中の肥満は、妊娠高血圧症候群や血栓症のリスクを高めてしまうという報告もあり、肥満は妊娠率を下げるだけでなく、妊娠中の合併症リスクを高めてしまうのです。

妊活中も妊娠中も、健康的な体重をキープすることが大切。また、適正体重を保つことが、自分でできる妊娠しやすい体づくりの一つといえますね。

適正体重に近づけるための食事制限によるダイエットは、やせるという効果の反面、栄養バランスが偏りやすく、やせても不健康になってしまうリスクがあります。一つの栄養素を極端に制限する糖質オフダイエットなどは、妊活中、妊活力を高めるのに好ましくありません。栄養バランスの良い食事をしつつ、全体量を減らすようにしましょう。

食事制限で体重が減ると、筋肉も減ります。健康的にダイエットをするためには、筋力トレーニングなどをしながらなるべく筋肉を維持するようにしましょう。

※出典:Loy SL, Cheung YB, Soh SE, Ng S, Tint MT, Aris IM, Bernard JY, Chong YS, Godfrey KM, Shek LP, Tan KH, Lee YS, Tan HH, Chern BSM, Lek N, Yap F, Chan SY, Chi C, Chan JKY. Female adiposity and time-to-pregnancy: a multiethnic prospective cohort. Hum Reprod. 2018 Nov 1;33(11):2141-2149. doi: 10.1093/humrep/dey300. PMID: 30285230; PMCID: PMC6201836.