よくある疑問に回答

妊娠しやすくなるために、
おすすめの食事はありますか?

妊娠しやすくなるために、おすすめの食事はありますか?

実はコレステロールも大切!

加齢とともに妊娠率は低下していきますが、それに大きく関わっているのが卵子の「数の減少」と「質の低下」。人間の細胞は日々新しいものに入れ替わっているのですが、卵子は胎児のときに一生分が作られており、加齢とともに減っていく一方です。つまり、卵子は一生入れ替わることが無いので、「栄養で、卵子の質や量が改善することは無い」という考え方がこれまで一般的でした。

実は近年、「コレステロール値が高い女性ほど、卵子の数を反映するホルモン・AMHの数値が高い」という研究結果が出ています。コレステロール値が高いと生活習慣病のリスクが高くなり注意が必要ですが、ある程度は妊娠前からコレステロール値を下げすぎないことは、“妊娠力”の維持にも大切だと考えられます。コレステロールは低ければ良いというものでもないのですね。

コレステロールの原料となるタンパク質は、毎食しっかり取ることが大切。肉や魚なら片手のひら1枚分が目安です。妊活中は、葉酸や鉄分を取るとよいことはよく知られていますが、コレステロールも妊娠には大切な栄養素といえます。

妊活や妊娠中に取りたい「葉酸」のメリット

葉酸はビタミンB群に所属する栄養素で、植物の葉やレバーなどに多く含まれます。
ビタミンB12と共に赤血球の生産を助け、さらに、DNAやRNA、タンパク質合成も促進するため、貧血防止や口内炎の予防や、発育にも欠かせません。また、葉酸やビタミンB12はメチオニン(アミノ酸の一種)が、体内で代謝される途中で生じ、動脈硬化の危険因子となる物質「ホモシステイン」を再びメチオニンに変換し、動脈硬化を予防する効果があることが期待されています。

このように葉酸は、造血や発育、さらに動脈硬化の予防に重要な栄養素です。妊活中や妊婦が葉酸を十分に摂取することは先天性疾患のリスクの低減につながると考えられ、妊娠を計画する女性や妊婦は1日240~400μgの追加摂取が推奨されています。

葉酸は水溶性ビタミンですあり、食品の場合は多く摂取しても尿に排せつされるので基本的に過剰症は心配ありません。しかし、サプリメントとして極端に多く摂取すると、亜鉛の吸収障害やビタミンB12不足による神経障害の見落としを招く可能性がります。1日の耐容上限量は30歳~49歳 男女共に1,000μg。この摂取量を守るようにしましょう。

妊活中に避けたい食品とその理由

妊娠中にはカフェインやお酒を控えなければならないことはよく知られていますが、妊活中も避けた方がよい食品があります。健康を維持して妊娠しやすい体に整え、無用な不安やリスクを避けるためにも妊活中の食生活に気を配ることが大切。ここでは、妊活中に避けるべき食品についてご紹介します。

①生卵

栄養価が高く、良質なタンパク質を含む卵は、妊活中に積極的に食べたい食品。しかし、卵の殻には食中毒の原因となる「サルモネラ菌」が付着していることがあります。サルモネラ菌による食中毒は、流産の原因となる可能性があるので、卵の生食は避けるようにしましょう。

②トランス脂肪酸を含む菓子パンやお菓子など

マーガリンやショートニング、揚げ物、ファストフード、菓子パンやお菓子などに多く含まれる「トランス脂肪酸」は排卵障害のリスク因子で、多量に摂取すると妊娠の可能性が下がってしまうこともあります。また、トランス脂肪酸を多く含む揚げ物や菓子パンは、カロリー過多による肥満のリスクも高まるので、日頃から控えるようにすると良いでしょう。

③アルコール

アルコールと妊娠のしやすさについて、デンマークのオーフス大学の研究では、「週14杯未満であれば妊娠のしやすさに影響が少ないが、週14杯以上・1日2杯以上の飲酒で妊娠率が18%低下した」と報告されています。1杯はビールで330ml、ウイスキーなどの蒸留酒で20ml、ワインで120mlが目安です。飲酒の悪影響はすべてが明らかになっているわけではありませんが、無用なリスクを避けるためにも妊活中はできるだけ避けたほうが良いですね。

妊活中の食生活は、赤ちゃんの成長や発達だけでなく、ママの健康維持のためにも注意が必要です。控えたほうがよい食品は避け、バランスの良い食生活を送って、健康的でストレスのな無い妊活に取り組みましょう。